【東伏見・岡庭建設 #1】工務店から始まった歴史と、「隊長」池田浩和との出会い|AERU PEOPLE特別編 | まちにわ ひばりが丘

【東伏見・岡庭建設 #1】工務店から始まった歴史と、「隊長」池田浩和との出会い|AERU PEOPLE特別編

西東京市。

西武新宿線は東伏見駅から7分ほど歩くと、見えてきたのはある一軒のお家。

 

 

 

「R-eco house」と表札に書かれたこの場所は、この地を拠点に仕事をされている「岡庭建設株式会社(以下、岡庭建設)」のショーホーム。ただのショーホームではなく、災害などの有事の際に地域の防災拠点としても活躍する「災害対応型住宅」という場所です。

 

玄関から中に入ると、何やら談笑する方々が。どうやら、この後始まる日本茶ワークショップの講師の方が、岡庭建設のスタッフの方と準備をしていたようです。「後で一杯いかがですか?」と、インタビューで伺った私たちを暖かく迎えてくれました。

 

 

 

木のぬくもりを感じる造りと、暖かくやわらかな陽の光が射すリビング。ここではこうして地域の人を招いて、ワークショップやお教室が開催されているのだそうです。

 

自然とあいさつを交わせるような、人のつながりが生まれる住まい。

ただ優れた性能の住宅を建てるだけではなく、そこでどんな豊かな時間を過ごしてもらうか。

豊かな時間を共有することで、どのような街の中でのつながりが生まれるのか。

そんなことを考えていらっしゃる会社が、今回お話をお聞きする岡庭建設です。

 

今年で創業47年。この約半世紀、この地域で岡庭建設が創り上げてきた歴史と、これからの未来について、「隊長」の名で親しまれる専務取締役の池田浩和さんにお話を伺いました。

 

 


 

池田浩和(いけだ ひろかず)

岡庭建設(株)専務取締役 一級建築士
同社の設計を主に携わり、太陽熱、長寿命、木を活かしたエコ住宅を 手掛けている。
2010年にはグッドデザイン賞、2015年キッズデザイン賞、2016年ウッドデザイン賞、2016年東京都多摩産コンクール優秀賞他受賞。
(社)JBN・全国工務店協会、(社)東京家づくり工務店の会、(社)全木協東京都協会 、(協)もくようれん他、工務店団体等の役を務める。


 

 

 

現場と職人から学んだ木造建築

 

 

── まず最初に、岡庭建設さんの成り立ちからお話をお聞きしてもよろしいですか?

 

 

池田浩和(以下、池田) はい。まず岡庭建設が今年で創業47年目なんです。今経営に関わっている私たちが、いわゆる二代目ライン。先代から引き継いだのが今から7年前かな。

 

岡庭建設自体が47年前に大工から始まり、その後工務店を始めて今に至ります。工務店ってユーザー(購入者)さんとつながりがあるので、そのつながりを残すために事業継承が必要になり、7年前に事業継承しました、という会社です。

 

私は岡庭建設の「池田」なんで、いつも「お前誰だよ」って、いろんなところで言われるんですけれども(笑)、私の奥さんが岡庭家の長女なんですよね。今の代表取締役が岡庭家の長男です。長女は岡庭建設とは別の設計事務所で働いていて、そこで出会ったのが私なんです。だから私と岡庭建設の関わりは、そもそも私がたまたま前職の事務所で設計をやっていたことからなんです。

 

 

── そんな出会いだったんですね。

 

池田 岡庭建設が22年目の時に、「これからはもっと環境のことを考えて設計された家を造っていかなくてはいけない」と、大工を始めた当時の社長(現会長)が言い始めたんです。ただ、やはり太陽熱とか環境は少し難しいジャンルになので、会社の中にも設計担当が必要だよねということになりました。ちょうどその時には私は結婚していたので、住宅設計を手伝わせてもらうことになったんです。

 

設計と言っても、私は住宅よりも大きいビルとか公共施設とかを手がけることが多かったので、木造建築の経験がなかったんですよね。でもその機会を通じて、岡庭建設に入社し、環境共生型住宅の設計を担うようになりました。それが、今から25年前というところですね。

 

その頃はまだみんな大工さんに頼んで家を建てているところが多かった時代ですね。近所の職人に家を頼んで建ててもらうという地域の風習がまだ強い時代でありつつ、ちょうどハウスメーカーも伸びてきて全盛の時代でした。

 

 

 

── 池田さんご自身のお話をさらに聞いてみたいのですが、元々建築には興味があったんですか?

 

池田 建築は本当に子供の頃から好きというか、住宅雑誌が小学校の頃から好きで。その時は野球に明け暮れていて、高校までずっと野球をやってたんですが、やっぱり建築的な事もやりたいなと思っていました。だからデザイン系の学校に学びに行って独学もしつつ、設計事務所に入りました。設計事務所では比較的大きな物件を手掛けることが多かったですね。あの頃はバブルの時代だったし。

 

そういった理由で、岡庭建設に入っても先ほどお話したとおりコンクリートとか鉄骨の方が得意だったから、木造建築のことが全然わからない。木造建築の資格も持っていましたが、「設計ってこんなに無能なんだ」と思うくらい、岡庭建設の職人とか現場の人たちにいろいろと教わりましたね。設計者って、図面を描いて、図面そのままで建築物が造られる人なイメージがあるけれど、いかに図面って通用しないんだということを岡庭建設で一番学びました。

 

 

── その「通用しない」というのは、現場に行かないとわからない要因が出てくるということでしょうか?

 

池田 見たことあるかもしれないですが、図面は1mm単位で寸法を描いていきます。0.5mmって書いても0.5mmなんてどうやっても合わせようがないんです。でも図面では描かなきゃいけなかったりする。そういう積み重ねがあってこそ、だんだんと図面のメッセージ力が強くなっていくってことを学びました。

 

 

── メッセージ力。

 

池田 やはり図面というのは、設計者から職人さんへメッセージを届けるお手紙だということですよね。だから図面の描き方、いわゆる日本語が上手かどうかというのが設計者にとってはとても重要で、そこから図面の描き方を自分流に整えていくんですよね。

 

 

 

不動産と建築が組み合わさり、家を見極める時代。

 

 

── 岡庭建設の特徴としてはワンストップで様々な事業を展開しているところがすごく面白いなぁと思っています。不動産で土地を探したい人のお手伝いしつつ、造るっていう部分では建築担当の方が関わっていて。そういった状態にするというのも、やっぱり会長から言われていたりしたんでしょうか?

 

池田 いや、はっきりとは言われていないですね。ただ、これからは家を建てるだけじゃなくて、土地探しを頼まれることもあるだろうし、家を売ることもあるかもしれない。それを手数料を払って他の業者にお願いするより、やはりこれからを考えると自分たちでできるようになった方がいいよね、とはたぶん言い続けてきたんだと思います。

 

今結果的にワンストップということになってますが、そもそもは最初の土地探しから工務店が携われるというのがこれから必要ではないか、という発想から始まったのだと思います。

 

 

 

 

池田 ちなみに今の社長は不動産出身なんです。会長が「これからは不動産が重要になる」と息子を不動産の道に進ませていて、建築ができる人たちと組み合わさっていった結果が、今まさにビンゴの取り組みになっていますね。

 

 

── なるほど、すごいですね。

 

池田 社長が不動産出身だったことでわかったことがあります。今の時代でいうとこれから少子高齢化、人口減の影響で、住宅建設の仕事の多くは無くなっていく。これからは中古住宅の流通が重要だと思いますが、実は昔の高度経済成長期の家ってよくない物件もまれにあるんです。耐震性能の部分とか、そもそも手抜きがあったりとか。そういったところでちゃんとした家かどうかを見極めるのも重要です。

 

中古住宅って、実は耐震性能が無いとか、中身はなかなか分からないでしょう? 工務店は家を建てた後に必ずメンテナンスをするんですが、何年か経つと劣化していく状況が分かったりするんです。あとはリフォームを頼まれたりするから、古い家を昔から触ってるんですよね。だから「こういう時代の建物は雨漏り多いよね」とか「断熱入ってないよね」とか、「基礎に鉄筋入ってないよね」とかがなんとなくわかるんですよ。

 

一方で、もし中古住宅の売買を不動産屋さんに頼んでも、不動産屋さんからはそういった部分はわからないんですよね。不動産屋さんはAさんからBさんに物件を動かす仕事で、取引者なんですよね。お客さんは「あの人たちは建物についてよく知ってるんだ」と思うんだけど、そもそも自分で家を建てていない。どのような家かわからないけれど、売買間の安心安全のための取引を主とした仕事なのです。

 

 

── 売り買いの仲介の部分だけってことですよね。

 

池田 そう。それに、新しいものは黙っていても売りやすいんですよ。だけど中古とか、誰がどう使ったかわからないものというのは、やっぱり不動産屋さんにとってもリスクなんですよね。耐震性能があるか、または手抜きがあるかなどの劣化状況のような、“物件の中身”はわからないから。

 

だからそういう時に物件を見てもらえる人がいた方がいいんですが、うちみたいに自社でやっていると、この時代の建物はだいたいこれぐらいお金かかっちゃいそうだな、ということを言ってあげられます。買うかどうかの判断材料になるから買う方にとっても安心なんですよね。

 

 

住まいを安心、安全に。ユーザー目線の取り組み。

 

 

 

── その場限りのコストだけでなく、全体として家にどのくらいメンテナンスがかかるかも含めた計算があるのはありがたいですね。やはり子育てや介護など、ライフステージが変わったりすることを考えると、購入者にとって心配になる気持ちはわかります。

 

池田 でも業者の中には(ちゃんとした査定をせずに)売り逃げる人も昔はいました。売った後になってみるとその人はもういないという。買ったはいいけどすぐ雨漏りしたりとか、家が揺れるとか。そのように売られてしまうことで、いつしか中古住宅を買うのは不安だよねというレッテルを貼られる世の中になっちゃったんですよね。

 

 

全国から岡庭建設の取り組みを視察に訪れる(岡庭建設webサイトより引用

 

 

── 現状として新築物件の市場は飽和しつつある中で、中古やリノベーションのような分野を扱う業者が増えてきましたよね。最近は池田さんも地域の空き家について考えるところも取り組まれてると思うんですけど(※1)、そのあたりは行政としてもしっかりと考えていく認識なのでしょうか?

 

池田 そうですね。都の方で都民が安心安全でいられる仕組みを先につくっていかないといけないので、その準備にはもう入っています。

 

来年の4月1日で宅建業法が改正されて、中古住宅を売買する時にいわゆる「インスペクション(住宅検査)」という、住宅の検査を斡旋しなきゃいけない。先ほど話したように、良くない物件を売り主が黙って売り抜けさせないようにする意味があると思います。おそらく既存住宅の市場も安心、安全が重要になってくる。

 

 

── そのようなインスペクションのノウハウを持っている地元の企業や都内の企業は、岡庭建設さんのようなワンストップのスタイルを目指す会社が増えていくってことになるのでしょうか。

 

池田 そうかもしれないですね。ただ、自社で不動産やっているというのは大手ばかりで、大手も不動産部門と建設部門ってだいたい別会社ですよね。(同じ会社でやるのは)なかなか難しいんですよ。

 

そういう中で来年から業法が変わるので、やはり第三者の目として、インスペクターの人に見てもらうと。今までだったら私たちも一緒に行って一緒に検査してこれだったら大丈夫だよって言ってあげられたけど、今度からはそこに売買の公平性のためにインスペクターが入るんです。

 

 

インスペクター(住宅診断士)が専門的な見地から診断する(岡庭建設webサイトより

 

 

 

池田 ユーザーさんは家を直すとしたらいくらかかるのかが一番心配です。例えばAさんとBさんがいたとして、購入を検討している中古物件があるとします。その物件の検査の結果、これは少なくとも300万円かかるよねとか、あるいは500万円かかるよね、その後もたぶん10年後ぐらいに100万円かかるよね、などと言った時に、欲しいと思えるものかどうかはAさんとBさんで違う。

 

それがAさんにとって欲しい物件だと思えば、それは「買い」なわけですよね。Bさんはそこで「ちょっとなぁ……」となれば、違う物件や、新しい物件を探した方がいいかもしれない。新しい物件で気に入ったものがなければ、場所は西東京じゃなくて東久留米の方がいいかな、東村山がいいかな、というようなことを提案したりしますね。そのコンサルティングをできる人が業界でもまだあまりいないのが現状です。

 

うちの場合は常に新築から土地探し、家を造る人がいる。不動産がいて建築がいて、お金周りを扱うファイナンシャルプランナーもいます。

 

 

 

── 体制としては万全ですね。岡庭建設さんはそういう役割の方々が社内にいるっていうところが強みですよね。

 

池田 専門の人が皆で予定合わせて行けば、それで話はついちゃうわけです。何となく始まった不動産と建築が、時代的にも今大きな役割を担っていますね。

 

 

 

次回に続きます。

 

(※1 地域のまちづくりに関わるプレーヤーによる、「西東京 空き家会議」に池田さんも関わっている)

 

文/田中宏明、写真/浅見美沙(まちにわ師)

 

(この記事は、岡庭建設株式会社と製作する記事広告コンテンツです)

 

 

 

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