2030 SDGsカードゲームを体験してきました!
2019.08.05
こんにちは!まちにわひばりが丘スタッフの中村です!
この度、東久留米青年会議所で行われた「カードゲームで体感!わたしたちの未来のシミュレーション ~東久留米でつながろう!SDGs交流会~」に参加してきました!
ところで皆さんは“SDGs”と聞いてパッと何かわかりますか?聞いたことはあるけど、具体的にどんなものかわからない人が多いのではないかと思います。私の周にも「聞いたことはあるけど、具体的なことはわからない」という人が多く、私自身もその一人でした。
しかし、この度のカードゲームで体感してきたので、感想を交えながら皆様に共有したいと思います!
そもそも“SDGs”とは?
Sustainable Development Goals (持続可能な開発目標) 通称 SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは、2030年に向けて世界を変えるための壮大な目標です。
貧困をなくそう。飢餓をゼロに。すべての人に健康と福祉を。そんな目標(ゴール)がここに17個あります。これらを実現するために国連加盟193ヵ国が2016年に合意しました。しかし、ただゴールすだけではなく、持続可能にしていかなければなりません。
そのために17個のゴールそれぞれに10個前後のターゲットがあり、合計169個あります。さらに、それらを具体的な数値目標で示した232個のインジケーターがあります。
ここまで聞いて「難しそうだな」「自分には関われなそうだな」と思った方が多いのではないでしょうか?そんなイメージのある“SDGs”をカードゲームを通じて、楽しみながら体験して学べるのが「2030 SDGs カードゲーム」です!
“2030 SDGs カードゲーム” とは?
ルールは、与えられたお金と時間を使ってプロジェクトを行うことで、それぞれ自分の目標を達成する、ただそれだけ。
目標は色々あり、私に与えられたものは「環境保護の闘士」というゴール。これは”環境を守りたい”という価値観です。ゴールは「緑の意思」を10枚以上手に入れること。
他にも「大いなる富」という”お金第一”という価値観や、「悠々自適」という”気ままに生きる”価値観、様々な価値観(ゴール)をもった人たちがいます。つまり、現実世界と同じように、ゲームの中にも様々な価値観を持った人がいます。
そして、各プロジェクトを実行することで、ゴールを目指します。例えば「イノベーション支援-創造性の刺激」というプロジェクト。
実行するには「必要な『世界の状況メーター』」の条件、「使うもモノ(お金と時間)」の条件を満たす必要があります。
「世界の状況メーター」とは、ホワイトボードに「経済」「環境」「社会」の三項目があり、それぞれに「青い磁石」「緑の磁石」「黄色の磁石」が貼ってあります。この磁石の数がメーターになり、1つ10%を意味します(初期値は全て30%)。このカードは「黄×5以上」が条件なので、「社会」のメーターが5あれば実行できます。
後は「使うモノ」。このカードでは手元に「お金」が500、「時間」が3あれば実行することができます。
実行できれば、「もらえるモノ」にある「お金」が1,000、「黄色いプロジェクト」「黄色い意思」を獲得することができます。
さらに「世界の状況メーターの変化」欄のように「青」つまり「経済」が+1、「黄」つまり「社会」が+1されます。これらの「もらえるモノ」「世界の状況メーターの変化」は、プロジェクトにより異なりますが、大体同じ色の意思をもらえたり、同じ色のメーターが動きます。
また、他の人と交渉して、カードの交換も行えます。例えば、お金と時間を交換する。これは現実世界でいう「お金で時間を買う」という行為。他にもプロジェクトをお金で買ったり、プロジェクトを交換したり、相手と交渉成立すれば何をしてもいいのです。
このようにして、プロジェクトを実行したり、カード交換を行うことで、意思やお金、時間を集めていくことで、自身のゴールを目指していきます。
実際にやってみた!
参加者はだいたい2人一組の11グループにわかれて、前後半形式で行われました。
前半戦はほとんどのチームが各々のゴールを目指します。プロジェクトで意思を買う人、カードを売ってお金をたくさん集める人、時間をお金で時間を買う人、様々な人がいます。
もちろん私のチームも「緑の意思」を集めることに専念して、緑のプロジェクトカードを切っていきます。緑のプロジェクトは、「世界の状況メーター」の「環境」が+1され、経済が-1されるカードが多くありました。
そして緑のプロジェクトの一番の難点は、還元が少ないこと。例えば、「お金」が500、「時間」が3必要なプロジェクトを実行しても、還元されるのは「緑の意思」のみ。こんなカードが緑にはたくさんあります。
青と黄のプロジェクトはお金の還元率もよく、次のプロジェクトにつなげることができるので、とても人気でした。ゲームでも現実でも、世界は環境保護活動に厳しい…
そして「世界の状況メーター」は刻一刻と変化していき、様々な場所から同じ声が聞こえてくるようになりました。
「環境がやばい…」
「経済」と「社会」はみるみるうちに発展していくのですが、それに伴い環境が衰退していきます。これは現実と同じで、「経済」や「社会」を発展していくために環境が破壊されてしまったのです。
前半戦終了時の「世界の状況メーター」がこちら…
画像に入り切っていませんが、「経済」が200%までに急成長、「社会」が80%にまで成長したかわりに、「環境」は0%…これは森林伐採や土地開発により砂漠化が進み、野菜などは輸入に頼り切り、値段も高騰している状況だとか…
後半戦に入る前に作戦タイムがスタート。各々、どうやってゴールを達成しようか、本当にゴールを達成するだけでいいのか、そのような話し合いが展開されていました。
そして後半戦がスタート。
後半戦では交渉が多く行われました。これは、お金や時間が不足したチームが増えたことと、環境をどうにかして守ろうという意識が一部に生まれたことでした。
お金が不足したのは、「大いなる富」のゴールカードを持った人が牛耳ってしまったから。
時間が不足したのは、時間の還元があるプロジェクトカードが少ないことと、「悠々自適」のゴールカードを持った人が牛耳ってしまったから。
私たちのチームは「お金」も「時間」も不足してしまい、様々なカードを用いて交渉するものの、なかなかうまくいかないもの…「うちも時間が不足してて…」とか、「時間を集めるのがうちのゴールだから」と断られてしまったり。
そんな時、お金をたくさん持っているチームが力を貸してくれました!
「うちのプロジェクトカードと意思カードを全部交渉権に使ってくれていいから、なんとか時間をゲットして環境を救おう!」
しかし、私たちのチームはあえなく交渉失敗…やはり時間を集めるのは至難の業。プロジェクトによる還元も少なく、牛耳られてしまったらどうしようもない…
だけど、私たちのチーム以外の同じ意思を持ったチームや、お金を持ったチームたちが、緑のプロジェクトを実行して、緑が少しずつ増えていきました。
そして後半戦終了時の「世界の状況メーター」は…
「経済」は20→16に、「社会」は8→10に…そして「環境」は0→9に変化しました!何とか環境保護…というより環境改善をすることができました!
ちなみに、目標を達成したチームは、全11チーム中8チーム。私たちのチームは目標を達成することはできませんでしたが、世界としてみれば万々歳!なんとか世界を維持することができました!
ゲームを通じて…
まず率直に感じたのは、このゲームは今までの世界の流れそのものだということ。
このゲームは「SDGsを達成するために、現在から2030年までの流れを体験する」というものでしたが、私にとっては「今までの世界の流れ、そして現在の世界の流れ」を体験している気分でした。
人類は便利さを求めて進化していき、技術が発展するにつれ自然は破壊されていく。自然が多く犠牲になって、世界が少しずつ自然環境保護の意識を持ち始めるも、保護活動に対してはハイコスト、ローリターン。自然の破壊に繋がるものはローコスト、ハイリターン。
身近な例だとプラスチック問題。プラスチックは安価で、飲食類の容器としては用いやすい。安価な分、売上金も多くなる。まさにローコスト、ハイリターン。
一方プラスチックの代わりに、紙容器などを用いるとき、プラスチックよりも高価で、プラスチックのほうが商品がよく見えたり保存しやすいため売れやすい。結果的にハイコスト、ローリターン。
しかし、私は自然環境問題以外はあまり気にならなかったというのが少し気になりました。
それにはいくつかの要因がありました。
・自身のゴールカードが「環境保護の闘士」で自然環境ばかりに目が行ったこと。
・プロジェクトカードのリターンばかりを気にしていて、どのような活動かまで目がいかなかったこと。
・単純に自然環境の問題が「世界の状況メーター」から見えやすかったこと、参加者全体の意識が向いていたこと。
このように、自分の立ち位置やゲームへの慣れなどで、見えてくるものが違ったのかもしれません。何度もゲームに参加したら、また違う角度から見えてくるものがあるかもしれません。
しかし逆に言えば、現実もゲーム同じで、貧困や飢餓、教育や性差別の問題は見えづらい問題だということ。自分がその問題に興味関心がなければ、なかなか関わりのないように感じてしまう問題もあるということ。でも、本当に関りがないことなのか、見直す必要があるということ...
私たちにできることは?
大きな課題ばかりで、自分にできることは少なく感じるかもしれません。でも、「少ないからやらないのではなく、少ないからこそやる。」この意識が大事だと感じました。
少し、私たちが今からできることを考えてみましょう。
・レジ袋やペットボトルを使わないようにする。
・食品廃棄を減らすために、必要以上の購入をしない。
・ポイ捨てされているゴミを見つけたら拾う。
・サステナブル・シーフードを買う。
・フェアトレード商品を購入して貧困問題に貢献する。
・ノーインパクト週間を会社で行う。
・性的問題や環境問題の記事などを見つけたらシェアして問題提起する。声を上げる。
・世界の問題に関心を持つ。
上げ始めたらキリがないほど、できることは沢山あります!
でも、環境問題に対する取り組みがどうしても多くなってしまうのは、私自身がまだまだできることを知らないから。それを調べることも、私自身のできることの一つ。
今、「この言葉知らないな」と思ったそこのあなた。その言葉を調べることから始めてみませんか?
「自分一人がやっても…」ではなく「自分一人だけでもやらないと!」
考え方を少し変えるだけで、世界は大きく変わるかもしれません。