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防災市民組織に関する情報交換会 開催レポート

2020.08.25

8月23日(日)、ひばりが丘団地エリア内にあるマンション「ひばりが丘フィールズけやき通り」防災委員会(以下、けやき通り防災委員会)とまちにわひばりが丘の共同で、防災市民組織に関する情報交換会をオンラインで行いました。

この企画は、けやき通り防災委員会からの発案で企画されました。自分たちの防災委員会の活動を振り返ると同時に、エリア内の他のマンションや街区に運営や活動経験を役立てたい、他の防災組織と連携していくという目的のもと実施しました。

午前10時になると、オンライン会議システムの画面上に参加者が次々に集まります。まちにわひばりが丘 事務局(若尾)からの挨拶で、この意見交換会の趣旨を説明し、自己紹介タイムへ。けやき通りの防災委員会の方々以外に、別のマンションで現在防災委員会を立ち上げようとしている管理組合理事の方や、他マンションの防災組織の運営に関心がある方などがご参加いただきました。

本番の意見交換会では、けやき通り防災委員会の照屋朝(はじめ)さんにバトンタッチし、以下の目次に沿って進行しました。

【防災市民組織に関する情報交換会 アジェンダ】
1.防災市民組織とは
2.防災市民組織補助金について
3.組織結成に向けての準備
4.活動紹介(事例:ひばりが丘フィールズけやき通り)
5.質疑応答

照屋さんは、暮らしやすい場として防災も意識してひばりが丘に移り住んできました。防災委員会の設立から運営までを牽引してきたキーマンであり、照屋さんから、防災市民組織の役割と活動の概要のほか、法律の中での位置づけ、自治体(西東京市)における自主防災組織に対する支援、補助制度を説明。また補助制度を活用するにあたっての、事務的な手続きやスケジュール、組織を設立するにあたっての準備を丁寧に話していただきました。

続いて、活動紹介においてはけやき通り防災委員会の結成と活動について、時系列に沿って話しました。ここでは事務的なこと以外にも、組成するにあたっての工夫点や苦労、組織運営のコツについて、けやき通り防災委員会の太田朋子さんよりお話しいただきました。

防災組織の設立にあたっては、居住者の個人情報の取得がハードルになったり、居住者への協力と参加が欠かせないことから、管理組合のいち組織として位置づけることが有効であること、そのために管理組合、管理会社、防災組織の準備委員会はどのように動いたか、など実例を上げていただきました。
運営の中での工夫の一例として、居住者の防災組織・活動に対する認知度をたかめるために、定期的に発行、掲示している「かわら版」が有効であるとのことでした。かわら版の内容は、防災委員会の活動内容の他、防災に関する知識やクイズなど多くの人に関心を持ってもらうように工夫しているとのことでした。

また、照屋さんから防災委員会での連絡手段としてのSNSの活用、クラウドサービスを利用してのファイルの共有など防災組織のインフラについて説明していただいたほか、実際に行った防災訓練、補助金制度の運用、備蓄品の管理、会議などの活動について具体的な項目と数字で紹介されました。
防災訓練については、防災設備の点検を行うのではなく、実際に地震が来たことを想定して行い、防災本部がどのように動くか、機器などが正常に動くかなどの確認を、居住者の安否確認なども含めて行ったとのことです。

また、訓練を行って終わりではなく、アンケートを実施し、改善点などを検証する改善活動(KPT)を行い、居住者の災害時の備蓄品、衛生用品の不足などが課題事項とわかったため、今後の活動に活かしていくと話されました。

以上のプレゼンテーションを受けて、参加者の関心もとても高まったところでの質問タイムでは、
「組織の設立から、運営に至るまでのキーポイントなるものはなにか?」という質問があり、
「結成までの振り返りのアンケートを行い、意識調査をする過程で、防災委員会を立ち上げるということを居住者に周知ができた、またそれを受けて防災委員会の設立について理事会に布石を打てた。」
「理事会とは別に、準備委員会を立ち上げることで人数、メンバー、任期にとらわれず設立に向けた準備ができたことが良かった。
「防災委員会設立前に、管理組合での外部識者を招いての講習会などは意識向上や啓発のためにとても役に立つ。」
と、とても実践的な回答をいただきました。

定刻間近になると、
・個人情報を得る上で、防災委員会、管理組合、管理会社が何を担い、どの階層の情報までを得る必要があり、得ることができた情報はなにか。それを示していただけるとたいへん役立つ。
・管理会社は、「防火」の意識が強いため、防災訓練ではなく、防火のための避難訓練なりがちである。
・街区を超えた、防災講座・イベントをコンスタンスに行うことは大事。
・要介護者などの情報を得ることがこれからとても重要になってくる。
・今回、参加して本当に良かった。ひとりで防災組織を立ち上げしようとしているが、みなさんに支援を受けながら、これから頑張っていこうと思う。
・自分が住んでいる街区にとってもとても役に立つ内容。ぜひ、この内容をもっと多くの人に知ってほしい。
など、口頭で、またチャット上で多くの意見が出ました。

「このような防災委員会の活動やノウハウを共有するための意見交換会や講習会を継続的に行い、エリア内での防災組織の意識向上や活動の充実を図るほか、横のつながりをもっと作っていくことが必要」という照屋さんからの結びの言葉で、今回の意見交換会を終えました。

コロナ禍において防災訓練などがなかなかできない中でも組織を継続させ、防災に対する意識を低下させないためには、このような意見交換会はとても有効であると感じました。また、オンラインでは参加できない方への支援やフォローを行っていく必要もあると思います。

まちにわひばりが丘では、今後もこのような意見交換会を逐次行っていきますので、ぜひまたの機会にもご参加ください。